キューバ人アーティストDINELSON【From the Other Room】日本初個展
キューバは【Fabrica de Arte】が代表するように、アートが盛んな国と知られています。そんなキューバから日本に移り住み活動するアーティスト、DINELSONさん。彼の日本初個展が東京・自由が丘で開催されているということで、訪問してきました。
見た瞬間、ある種キューバ人らしい色鮮やかさと、彼自身の個性としての爆発性を感じました。アート素人な筆者でもすらそう感じた本個展。この記事でぜひ、彼のアートを通して「キューバ」知っていただければと思います。
DINELSONさんってどんな人?
本名はYosmel Diaz Nelson。キューバ出身で、隣国ハイチの血も流れています。1988年生まれの新進気鋭の彼は、結婚を機に2015年から日本に拠点を移し、現在に至ります。2018年に一時キューバへ帰国し、アーティスト活動を開始。その時からアーティスト名「DINELSON(ディネルソン)」として活躍の幅を広げています。
現在までのアーティスト活動
2015年から日本に住むDINELSONさんですが、2018年の7ヶ月間、母国キューバへ帰国しました。その際に首都ハバナでアーティスト集団「El Otro Estudio(=もう一つのスタジオ)」と出逢い交流。ついにアーティストの才能を開花させました。その間、150枚以上のスケッチを描写。その中で厳選した作品を。今回の東京・自由が丘での個展披露しています。
アーティスト集団「El Otro Estudio」とは?
「El Otro Estudio」は単なるアーティスト集団ではありません。彼らは一員のことを「Pikete」と呼びます。日本語で表現するならば「親愛なる友人」となるでしょうか。集団としては活動するものの、表現するものは各人それぞれ。逆に言えば、「それぞれ独自のスタイルを表現する」という共通のコンセプトは持っているため、作風は違えど互いに刺激し合う関係。それこそが親愛なる真実の友人であり、「Pikete」であり、すなわち「El Otro Estudio」ということなのです。
スケッチはなんとスマートフォンで!
キューバは万年もの不足に悩まされています。筆者もキューバ滞在時には、ノートやボールペンを手に入れるのに3日ほど街を駆け巡りました。そのため、アーティストに必要な「画材」も入手困難となります。
一方、そのような環境下でDINELSONさんは言います。「あなたの前に現れたミューズ(インスピレーション)を最大限に活かすのです」。紙がない、キャンパスがない。けれど、このインスピレーションを逃すまいとするアーティストとしての強い意識。厳しい環境が、むしろ彼の才能を開眼させたようにも思います。
そして、彼は自身の表現を「スマートフォン」に描きます。それでもやはり、画家としては紙に表現したいもの。したがって、彼はデジタルで描いたものを、最終的にはアナログに描き写しています。モノがないことを言い訳にせず、今あるモノで勝負していく彼の姿勢には、非常に学ばされますよね。
個展「From the Other Room」ではどんな作品があるの?
「PRINCIPIO(モノクロ)」「UNTITLED(カラー)」「NICE TO MEET YOU…IS ME」の3シリーズが展示されています。写真許可をいただきましたので、いくつか紹介していきます。どの作品もユニークさの中にメッセージ性が感じられるかと思います。
【PRINCIPIO】
【UNTITLED】
【NICE TO MEET YOU…IS ME】
開催場所
東京・自由が丘にある美容室「traffic」さん1階にて展示されています。
期間:2021年6月17日(木)〜 8月16日(月)
住所:東京都目黒区自由が丘1-25-21
休館日:水曜日、第1・第3火曜日
開館時間:11:00〜19:00
また、次のURLからtrafficさん主催のDINELSONさんインスタLIVEもご視聴いただけます。本個展への想いを伺えますので、ぜひご視聴ください。【DINELSONさんインスタLIVEはこちら】